ココロノコトワリ

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「なぜなぜ期」の子どもの質問に、うまく切り返す3つのコツ テキトーに答えても大丈夫

子どもが自立する、イライラしない、育児がラクになる……。こんな嬉しいことが、世界トップ機関の研究にもとづいた「テキトー子育て」で実現すると提唱するのは、幼児教育のプロで、著書『1人でできる子になるテキトー子育て』もある、はせがわわか氏だ。時に大人を困らせる、子どもの質問。「なぜ?」「どうして?」と聞かれたとき、どう答えるのがよいのか? はせがわ氏に正解を教えてもらった。
脳内で分類作業をしている
2歳までは、頭の中で記憶の整理が十分にされていないので、何かの出来事があったり、何かを見たりした時に、以前のことをサッと思い出すことができません。ですから、2歳までの「考える」とは、目の前のことだけを理解することが中心です。

でも、3歳頃になっておもちゃなどを分類して遊ぶ頃から、記憶も仲間ごとに分けて脳の中で整理し始め、その結果、記憶をサッと検索するのが上手になります。ですから、3歳からは、目の前のことを過去の記憶と比べて考えることが少しずつ上手にできるようになります。
ニュージーランドで最も歴史のあるオタゴ大学の心理学者であり、同大学初の女性学長に就任したハーリン・ヘイン教授たちはおもしろい実験をしています。
子どもに、「今日、海賊がこの砂場に宝箱を隠すのを見たの。その宝箱、一緒に探してくれる?」と言うと、子どもは我こそはと砂場を掘り始めました。でも、見つけた宝箱にはカギがかかっています。「ああ、カギさえあれば……」。
翌日、ちょっとしたテストをしたあと「これから砂場に行くけど、あなたはテストがとてもよくできたから、これらの中から好きなものをひとつ持っていっていいわよ」と言って、小さいボール、小さいおもちゃ、そしてカギを見せました。
すると、3歳で33%、4歳で75%の子どもがカギを選びました。カギを選んだ子どもたちは、目の前のカギを見た瞬間に昨日の出来事がサッと思い起こされて、宝箱を開けるためにこのカギを砂場に持っていこうと思ったのです。
こうやって、何か出来事があった時に、瞬時に過去の記憶が呼び出されるようになります。

そして、今度はまたいつかの時のために、今の出来事をどこかの仲間に分けておこうとします。
すると当然、どの仲間に入れたらいいのか分からなくなることがあります。だから大人にあれこれと聞いてくるわけです。これがいわゆる「なぜなぜ期」です。
一般に、子どもの「なぜなぜ」には丁寧に答えてあげるのがよいのは当然ですが、それでも答えに困ってしまうものもたくさんあります。これに全部答えようと頑張ると、むしろイライラしてしまって親にも子どもにもよくありません。
困ってしまう「なぜなぜ」は3つのパターンに分かれます。
一つ目は、大人はもはや「なぜ?」とも思わずにやっているものです。改めて聞かれても、答えられません。
例えば、暑い夏のある日。みんなが水に何かを流しながら、立って楽しそうにすくって食べているのを見ました。「ママ、あれは何?」「流しそうめんよ」。どうやらみんな、そうめんを食べているようです。
でも、いつも食事の時は「座って食べなさい!」と言われるのに、今日はなんでみんな立って動き回って食べているの……!? それはもう、子どもは根掘り葉掘り聞きたくもなりますよね。
「なぜ?」にはこう答える
こんな時、「なぜ、座って食べなくてもいいの?」と聞かれると答えに窮します。ちゃんと説明しようとしても、「流しそうめんはそういうもの」ですから、困ってしまいます。こんなことを繰り返しているうちに、「なぜ?」と聞かれるのが面倒になってしまいます。

このように、説明もできないほど当たり前にやっているような「なぜなぜ」への答えは、もっとテキトーで大丈夫です。流しそうめんの時は、特別なんです。特別だから、楽しいわけです。ですから「流しそうめんって、そういうものなの」と、大人が思っている通りに教えてあげるだけで十分です。
また、座って食べなくていい理由を説明しようと頑張るより、子どもの知っている、同じ仲間のものとつなげてあげる方が、子どもも楽しくなります。「なぜなぜ」にはこのように答えることで、子どもの語彙力も高まります。
例えば「バーベキューも外でワイワイ食べるでしょ。そうだ、今度、みんなでバーベキューしよう!」なんて話が盛り上がるのも、素敵ですね。
大人を困らせてしまう子どもの「なぜなぜ」には3つのパターンがあると言いました。一つ目は、大人はもはや「なぜ?」とも思わずにやっているものです。
そして、二つ目は「知るわけない!」というものです。「あのくるまは、どこにいくの?」

「あのひとは、なにがしたいの?」「あのはこは、なぜここにあるの?」というようなものです。
例えば、夕暮れ時に歩道橋の上から走りゆく車を見ていて、ふと「あの車はどこに走っていくのかな」なんて思ったこと、ありますよね。でも、考えたって分からないことを大人は知っているので気にも留めません。
一方で子どもは、大人は何でも知っていると思っていますから、「なぜ?」と思ったことは全部、聞いてきます。
こういうタイプの「なぜなぜ」に事実で答えようと頑張る必要はありません。どう頑張っても無理だからです。でも、だからといって「そんなの、知らないよ」では、身も蓋もありません。
こんな時は、空想のお話で楽しみましょう。「きっと、お仕事を終えておうちに帰っているのよ」「子どもが今日、誕生日で、ケーキを買って帰ろうと思っているのかもね」「子どもは何歳くらいかな」。子どもは空想が大好きなので、きっと「4歳だと思う!」なんて答えてくれることもありますよ。
「理由」より「結果」で考える
そして、大人を困らせてしまう子どもの「なぜなぜ」の三つ目は、子どもには説明できないものです。大人さえ、調べないと分からないこともあります。例えば「せっけんは、どうしてあわだつの?」。

水に息を吹き込むと、空気の泡はすぐ消えます。一方で、石鹸には界面活性剤が入っています。「界面」とは水と空気の境界面。「活性」とは元気なこと。石鹸中の界面活性剤が水と空気の境界面を元気に強くするので、泡が消えにくく、泡立つわけです。
でも、こんなことを子どもに教えても、子どもは理解できません。全くの無意味です。無意味なだけでなく、有害でもあります。
例えば「流しそうめん」は、その言葉を知ることで語彙がひとつ増えます。語彙力とは、いろんな言葉の仲間が頭の中にどれだけあるかです。そうすると、新しいものに出会った時、その仲間を頭の中で見つけやすくなります。仲間がどんどんつながり合うので、知識もしっかり記憶されますし、さらに芋づる式に知識を増やすことができます。
一方で、「界面活性剤」という言葉の仲間は、子どもの頭の中にはありません。こんな独りぼっちの語彙が増えても、その知識は固定されにくく、すぐに忘れてしまいます。

また、科学は自分で考えて、「なるほど!」と思えるからおもしろいわけです。石鹸が泡立つ仕組みを聞いて「なるほど!」と感じられないうちに答えを教えてしまうことは、算数の答えを、理解もせずに全部写すようなものです。考えることなく、分かった気になってしまいます。
さらに、これからもっと考える力がついた時の、「なるほど!」という科学のおもしろさを感じるチャンスを奪ってしまいます。百害あって一利なし、とはこのことです。
「せっけんは、どうしてあわだつの?」と聞かれた時は、「手をきれいに洗えるからじゃない?」とか「シャボン玉を作ることができるからじゃない?」という風に、「石鹸が泡立つ“理由”」ではなく「石鹸が泡立った“結果”」について話してあげましょう。
目に見えない“理由”より、目に見える“結果”のほうが、子どもにはずっと身近に感じられます。そして「石鹸の泡」が「手を洗う」とか「シャボン玉」のような、すでに知っている記憶とつながり合うことで、子どもの理解がぐっと深まります。
また、言葉での説明はそのくらいにして、あとは石鹸でいっぱい遊びましょう。シャボン玉で遊んだり、石鹸水にストローで息を吹き込んでみたり、今日、汚してしまった服を一緒にゴシゴシ洗ったりして、石鹸の泡をいっぱい五感で感じることが、科学が好きになるために幼児期に一番大切なことです。
将来、感じるであろう「なるほど!」がどんどん感動的になります。石鹸が泡立つ理由をどう説明しようかと気をもむよりも、ずっと大事ですね。

転載元:
現代ビジネス | 講談社