ココロノコトワリ

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夏休み中に転職を検討!? その「転職シンドローム」は危ない

 
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ほとんどの会社員は、これから夏休みを取るか、すでに夏休み真っ只中の方がほとんどだろう。そして、この記事を読んでくださっている方の3人に1人はきっと夏休み中に、こんなことを思うだろう。「今の仕事を続けていていいのだろうか?」

 

◆夏休みに思い立った転職は危険

 

 株式会社スタッフサービス・ホールディングスが20代から40代の会社員1000人を対象に行った調査によると、約3人に1人の人は夏休み・お盆休み明けに転職を考えたことがあるそうだ。(参照:スタッフサービス・ホールディングス)


 また、実家に帰った人の方が、転職を考える人の割合が多くなる。その理由については、「休み中に自分の働き方や今後を考え直したから」と答えた人が約63%だった。

 

 ずっと目の前の仕事に忙しかった人が、夏休みで心や頭に余裕ができて、ふと日頃の働き方や職場環境についてふと考えると、「あれ、本当にこんなことがしたかったんだっけ?」と考えてしまうのだろう。

 

 また、実家という自分の原点に戻るという行動が、自分の夢や人生の目標を思い出すきっかけになるのだろう。

 

 きっと考えれば考えるほど、あなたが転職すべき理由が見つかるだろうが、そういうときに考えた転職は、あまりうまくいかない。

 

◆転職先の仕事は“表”しか見えない

 

 なぜなら、あなたは今の仕事の表も裏も深く理解しているのに、転職先の仕事は表しか見えていないため、正確に比較ができていないからだ。「隣の芝生は青い」と言うように、人はなんでも外のものはよく見えるものだ。

 

 ネットで転職したい企業のことを探して情報を集めても、人間は「確証バイアス」という、一度決めるとその決心を強化する情報にしか目がいかなくなる心理作用や、「正常性バイアス」という自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価する心理作用を持っているので、心が転職に向いている状態では、正常な判断はできるはずがない。

 

心理学のさまざまな要素が、あなたが間違った判断をしてしまうことを指している。もし、それで転職をすると、想像とのギャップに絶望してまた転職をしたくなるか前の職場に戻りたくなるだろう。

 

とは言え、時間の余裕があるときに、自分の仕事について見つめ直すのが悪いというわけではない。むしろ、重要なのは考え方だ。

 

◆転職すべき目的が重要に

 

「転職すべき原因」と「転職すべき目的」のどちらで考えるかが転職の失敗と成功をわける。「転職すべき原因」で考えた転職は失敗しやすく、「転職すべき目的」で考えた転職は成功しやすいのだ。

 

「転職すべき原因」は、フロイトが提唱した原因論に基づいた考え方で、過去の失敗や職場の人間関係を持ち出して、転職すべき理由(原因)を考えることだ。過去の失敗を改善するために、転職という選択をしようとしているが、過去の失敗はどうにもできない。多くの人が、原因論的に考える傾向にある。

 

例:「人間関係が合わない」「仕事が楽しくない」「収入が少ない」など

 

「転職すべき目的」は、アドラー心理学の目的論に基づいた考え方で、自分の未来や目的のために何をすべきか考えるのだ。過去の失敗よりも、仕事をする目的や、お金を稼ぐ目的について考えて、自分が転職すべき目的を考える。

人生のミッションやビジョン、コンパスを考えるのと同じだ。自己啓発本にもよく書かれていることだが、実行できている人は少ないだろう。

 

例:「成長したい」「出世したい」「海外で働きたい」など

 

 比較してみると、どちらの方が前向きに転職を考えているかわかるだろう。原因論は「(ない)Not」というネガティブなものが多くなるが、目的論は「(したい)Want」というポジテイブな発想になっている。

 

もちろん、仕事に向き・不向きはあるが、目的論的に考えなければ、長期休暇のたびに「自分は何がしたかったのだろう」と考えることになって、いつまでも転職をし続けることになる。

 

◆まずは転職したい感情を理解する

 

 なので、もし、夏休み中に転職のことが頭をよぎったら、その感情を理解しようとすることだ。

 「転職したほうがいいかな」と思ったときに、「じゃあ、どこがいいんだろう」という手段を考えるのではなく、「なんでそんなことを思ったんだろう」「自分はどうしたいんだろう」と内観してみることが重要だ。そして、結論は「(したい)Want」で出るようにするのだ。

どこに転職するかまでは考えずに、人生のミッションやビジョンだけを考えるようにして、夏休みが終わったときに、今の仕事が本当に人生のミッションに合わないのか考えてもらいたい。

 夏休みは、空いた脳のスペースを使って、自分を見つめ直すのに最適な時間となるだろう。

 

【参考資料】
『夏休みと転職に関する調査』株式会社スタッフサービス・ホールディングス
『嫌われる勇気』岸見 一郎 、古賀史建
『人生を変える思考スイッチの切り替え方 アドラー心理学』八巻秀監修

【山本マサヤ】
心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。●公式ホームページ ●Twitter:@3m_masaya ●Instagram:@masaya_mentalist